あなたは永遠に私のもの

彼が床に倒れこんだ
後頭部から血を流しながら
もはや一言も発さずに
やった
これで、もう彼は誰の元には行かない
私以外の女の元には
あの忌々しい女の元には
周りは言っていた
あいつの方が彼にふさわしいと
彼もあいつに惹かれていた
私の想いが届かないくらいに
だから、私は行動した
目の前に、その結果がある
先が赤く染まった銅像と共に
私は彼を抱き寄せた
『まだ』温かい
おそらく、周囲は言うだろう
彼のことが好きなら、何故そんな惨いことを
『人形』のように動かない奴がいいのか、と
惨い?−私の想いを知っていながら、無視し続けた彼もだ
だから、力ずくで想いをぶつけるしかなかった
人形?−確かに『人間』と一緒ではつりあわない
ならば、私も『人形』になればいいのだ
私は彼に抱きついた
骨が軋まんばかりに抱きしめた
そして、奥歯に仕込んだカプセルを噛み砕いた
…しばらくして、体が痙攣し、意識が薄れていく
やった私は初めてあいつに勝った
もう離さない
永遠に…